長島先生

オーストラリアで活躍する長島先生に聞く
GP専門医の視点から見た医療の世界

長島先生

医師プロフィール

長島先生は、オーストラリア・ブリスベンにて総合診療クリニックを開業され、GP(ジェネラルプラクティショナー)として日々多様なバックグラウンドを持つ患者様のケアにご尽力されています。日本の医師免許とオーストラリアの医師免許を両立させ、国際色豊かな地域において、幅広い医療を提供されています。

GP(ジェネラルプラクティショナー)としての役割

GP(ジェネラルプラクティショナー)としての役割

長島先生が専門とするGPは、オーストラリアの医療において、非常に重要な役割を担っています。一次医療機関の窓口として患者さんにとって最初の頼りになる存在です。診療範囲は日本よりさらに広く、初診であらゆる疾患や症状、外傷などに対応します。必要に応じて専門医を紹介する役割も担うため、多様な疾患に対する深い専門知識と診療能力、患者さんとのコミュニケーション能力が求められます。
「私のクリニックには日本人の患者さんが多く来院、またはオンライン診療をされます。オーストラリアで生活する日本人の患者さんには安心して受診していただける環境を整えています。さらに、オーストラリアは多文化社会であり、様々な国籍の患者さんがいらっしゃいます。文化背景や価値観が異なる患者さんに対しては、それぞれの文化を尊重し、丁寧なコミュニケーションを心がけています。多様な患者さんと向き合うことで、私も多くのことを学ばせていただいています。」と語る長島先生。クリニックでは、オーストラリア人や他国籍の患者さんも診察し、多文化共生を意識した医療を展開しています。

オーストラリア医療システムの特徴

オーストラリア医療システムの特徴

オーストラリアの医療は、国民皆保険制度である「メディケア」を基盤としています。この制度は、オーストラリアに住む人々に基本的な医療サービスを保証し、患者は公的医療と民間医療のどちらかを選択できます。長島先生は、このようなオーストラリアの医療システムの中で、GP(開業医)として活躍されています。

クリニック開業までの道のり

クリニック開業までの道のり

長島先生は、GPになるために、厳しい試験とトレーニングをクリアするという、医師としてのキャリアにおける大きな挑戦を乗り越えました。特に、外国人の医師には『10年モラトリアム』という制度があり、都市部ではなく、医療資源が不足している地域での勤務が義務付けられます。この経験は、先生にとって、医師としての使命感を深め、成長の大きな転機となりました。日本、そしてオーストラリアでの臨床実績を日々の診療に活かし、現在はブリスベンで、国際的地域医療に貢献されています。

海外で働くことを選んだ理由

海外で働くことを選んだ理由

長島先生が海外で働くことを決意された背景には、様々な理由があったそうです。
「日本の医療現場で働きながら、もっと広い世界で医療に貢献したいという思いが強くなりました。また、英語力を向上させたいという個人的な目標、子供の教育環境として、多文化に触れさせたいという思いがありました。そして何より、自分の医療技術をさらに高めたいという強い思いでした。」オーストラリアを選んだ理由として、先生は「オーストラリアは、外国人医師に対して比較的開かれた社会であり、多くの経験を積むことができると思い、この国を選びました」と語ります。

仕事のやりがいと力を入れている分野

GPとして、私は幅広い医療知識と、患者さんとのコミュニケーション能力が不可欠だと考えています。私を信頼し来院される、様々な問題を抱えた患者さんが、安心して何でも相談できる存在でありたいと思っています。そのため、日々新しい医療情報を学び、専門医との連携を密にし、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供できるよう、診療体制を整えています。その結果、患者さんに最適な医療を提供できること、特に精神疾患やLGBTQの方々など、支援が必要な方々への診療に携われることに、大きなやりがいを感じています。」と語る長島先生。両国の医師免許を活かし、多様なバックグラウンドを持つ患者さんに対して、国際的な専門性と人間性を兼ね備えた医療を提供できることを目指しています。

将来のビジョン

長島先生は、両国の医療資格と豊富な診療経験という強みを活かし、日本とオーストラリアの医療交流の架け橋となることを目指されています。先生は、「お互いの国の良いところを取り入れながら、医療の発展に貢献したい。特に、日本の医師や学生がオーストラリアで学び、働き、活躍できる環境づくりに尽力し、日本の医療の国際化とオーストラリアにおける日本人医師の増加に貢献したい」と語られます。

若手医師へのアドバイス

長島先生は、海外で働きたいと考える若手医師や医学生に向けて、次のようなアドバイスをくださいました。

  • 1. 勤勉性を活かす
    「日本人の勤勉性は、世界でも通用する強みです。この強みを活かすことで、周囲からの信頼を勝ち取ることができます。」
  • 2. 挑戦を恐れない
    「言語の壁や異文化の違いに直面することは避けられませんが、積極的に挑戦することで、それを乗り越える精神力、大きな成長の機会を得ることができます。」
  • 3. 日本人としての自覚を持つ
    「海外で得た貴重な経験と知識を、将来、日本の医療の発展に活かすという視点を持つことが大切です。いわば、医療における外交官としての役割を担うつもりで、国際社会で活躍してください。」

長島先生の経験や視点を通じて、海外で働く医師としての挑戦ややりがいを知ることができました。この記事が、海外でのキャリアを志す方々にとって、貴重な情報源になれば幸いです。

経歴

2000年
東京慈恵会医科大学卒業
2000年
東京慈恵会医科大学小児科学講座に入局し附属病院勤務
2006年
日本小児科学会専門医
2007年
博士号(Ph.D.)取得
2009年
オーストラリア渡豪しThe University of Queensland Mater of Journalismに入学
(2010年に卒業しMaster of Journalism取得)
2010年
Mater Mothers’ HospitalにおけるNeonatal Registrarとしてオーストラリアでの臨床活動開始
(AHPRAに Specialist Registration Short Term Pathwayのもと臨床医登録取得)
2011年
オーストラリアでAHPRA General Registrationに必要なAMC PART1合格
2013年
オーストラリアでとして就労する際に必要なPESCI for Pediatrics合格
2013年
オーストラリアでAHPRA General Registrationに必要なAMC Part2合格
2014年
AHPRA General Registration取得
2020年
AHPRA 10 Years Moratorium完了
2022年
Fellow of Royal Australian College of General Practitioner(FRACGP)取得
Case Study

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当ページに関しては2024年1月時点で弊社が独自に調査したもので、最新の情報に関しては各国当局にお問い合わせの上、ライセンスの取得に関する手続きを行ってください。

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