ドイツ
インタビュー
ドイツで医師として働くには？
基本的なステップ
ドイツで働く魅力
ドイツはヨーロッパ最大級の医療先進国であり、国民皆保険制度のもと、質の高い医療と安定した診療環境が整っています。
医師の勤務時間は週38〜40時間が一般的で、法的に労働環境が守られており、ワークライフバランスを重視した働き方が可能です。
また、臨床と研究の両立がしやすい環境で、大学病院を中心に教育・学術活動が活発となっています。
ドイツ語が基本ですが、都市部や大学病院では英語で診療できる環境も増えており、語学力に応じたステップアップが可能です。
EU圏内の学会参加や異動もスムーズで、ヨーロッパ全体を舞台にキャリア形成を目指せます。
就業までの流れ
必要な書類
1. 事前相談・適性確認：希望科・勤務地域・キャリアゴールを整理し、必要な資格条件を確認。
2. 書類準備・翻訳：医師免許証・卒業証明書・職務経歴書などを英語／独語翻訳し提出。
3. 語学準備（B2レベル目安）：一般ドイツ語B2を取得し、診療コミュニケーションを習得。
4. Approbation申請（医師免許承認）：各州の保健当局へ申請。教育課程が同等と認められれば承認。
5. 面接・勤務契約：病院・クリニックの面接を経て雇用契約。
6. ビザ・渡航準備：「Blue Card」または「労働ビザ」を取得。健康保険・住居・税務登録を進める。
7. 勤務開始・フォローアップ：研修・語学サポートを受けながら独立勤務へ移行。
必要な資格・試験
【一般ドイツ語試験（B2）】
目的：一般的なコミュニケーション力の証明。
主催団体：Goethe-Institut、telc、ÖSDなど。
内容：読む／聞く／書く／話すの4技能試験。
合格基準：全体60%以上が目安。
【医療ドイツ語試験（C1 Medizin）】
目的：医療現場での専門会話・記録力を評価。
主催団体：telc Deutsch C1 Medizin（全国で認定）。
内容：患者対応ロールプレイ、症例報告、医師間プレゼンテーション。
難易度：語彙・実践力とも高く、医療現場経験が重要。
【医師免許承認（Approbation）】
目的：ドイツ全土で無期限に医師として勤務する資格。
審査内容：日本の医学教育課程がドイツと同等か比較審査。
免許区分：Approbation（完全承認）／Berufserlaubnis（期間限定許可）。
【知識試験（Kenntnisprüfung）】
対象：非EU圏医師でApprobationが即時承認されない場合。
内容：臨床知識（内科・外科・薬理・法規など）を口頭＋実技形式で評価。
試験時間：約3時間。合格率60〜70%。
免除条件：豊富な臨床経験や研究実績で免除される場合あり。
求められる診療科・スキル
【需要の高い診療科目】
・内科・総合診療科：慢性疾患・糖尿病・循環器などプライマリ領域。
・整形外科・リハビリ科：加齢・外傷対応で人材不足。
・麻酔科・集中治療科：術前管理・ICU対応に熟練した医師を優遇。
・放射線科・画像診断科：高齢化と画像検査の増加でニーズ拡大。
・老年医学・家庭医療：地域医療で慢性的な人手不足。
【求められるスキル】
・ドイツ語B2〜C1レベル（C1 Medizin推奨）
・チーム医療・多文化環境でのコミュニケーション力
・EBM・電子カルテ運用などの現場対応力
・継続的な学習姿勢・異文化適応力
ビザ・滞在許可
・Blue Card（EUブルーカード）：一定年収以上で長期滞在・永住可能。
・労働ビザ（Work Visa）：ApprobationまたはBerufserlaubnis取得後に申請可能。
・滞在期間：最大4年（延長・永住申請可）。
試験準備のポイント
・語学学校では「telc C1 Medizin」専用コースがあり、合格率が高いです。
・医療面接（Anamnese）の実践練習が合格の鍵ですが、各州で要件が異なるため、志望地域に応じた情報収集が重要です。
当ページに関しては2025年12月時点で弊社が独自に調査したもので、最新の情報に関しては各国当局にお問い合わせの上、ライセンスの取得に関する手続きを行ってください。