アメリカで活躍する桑間先生に聞く
家庭医療の視点と挑戦

桑間先生

医師プロフィール

桑間先生は、ニュージャージー州エッジウォーターの日系診療所で家庭医として20年以上診療を続けています。新生児から高齢者まで幅広い年齢層を対象に、日本人患者を中心に地域医療を支えています。

家庭医としての役割と診療内容

桑間先生は、健康診断や急性・慢性疾患の治療など、幅広い診療を提供しています。

  • かかりつけ医の役割:「家庭医として、患者さんがどんなことでも相談できる窓口でありたいと考えています」と語ります。
  • ビデオ診療の導入:「コロナ禍以降、ビデオ診療を取り入れ、遠方や多忙な患者さんにも対応しています」。

アメリカの医療システムと職場文化

アメリカの医療について、桑間先生は次のように述べます

  • 予防医療の重要性:「アメリカでは生まれたときからかかりつけ医を持ち、定期的に受診する仕組みが基本です」。
  • 診療記録の課題:「電子カルテの導入で効率化が進む一方、主訴、現病歴だけでなく、Review of systemsその他網羅的な記載が標準とされています。その結果診療時間内に診療記録を完成させるのは現実的には’不可能で、時間外の作業が日常となっています。」

海外で働くことを選んだ理由

桑間先生がアメリカで働くことを決めたのは、夫のキャリアがきっかけでした。
「夫がアメリカで医療研修を受けることになり、私も家族として渡米しました。その後、自分自身も研修を受けて臨床医としてのキャリアを築きました」と語ります。

仕事を通じて感じる課題とやりがい

「診療時間内に患者さんの主訴に向き合うことと、記録作成の両立が課題です」と桑間先生は振り返ります。
一方で、「日本語で家族全員の相談を受けられる医師として信頼されることが大きなやりがいです」と述べています。

若手医師へのアドバイス

海外でのキャリアを目指す若手医師に向けて、桑間先生は次のようなアドバイスを送ります

  • 文化的な適応力
    「自分の意見をしっかり伝え、わからないことは積極的に質問する姿勢が重要です」
  • 挑戦の重要性

    「快適な環境から飛び出して挑戦することが、人生の新しい可能性を切り開きます」

「米国ではプライマリケア医の需要が高く、家庭医として働くことも大きな選択肢です。若い時期にしかできない挑戦を大切にしてください」とメッセージを送ります。
最後に、『「Get out of your comfort zone(快適な環境を出ること)」というメッセージを心に刻み、人生の新たな可能性を追求してほしいとエールを送ります。』と桑間先生は語ります。

将来のビジョンと目標

桑間先生は、「常に最新の医療知識を学び、適切な診療を続ける努力をしたい」と語ります。
「家庭医は対象とする患者層が広く、経験を重ねてもベテランと感じない分野です」とのことです。

吉田医師へのインタビューを通じて、海外での医療活動の魅力と課題が浮き彫りになりました。この記事が、海外での医師キャリアを目指す方々にとって有益な情報となれば幸いです。

桑間先生のご経歴

1989年
東京大学医学部医学科卒業
1989年-1990年
東大病院内科で研修(前半6か月は第一内科、後半6か月は第三内科)
1990年-1992年
社会保険中央病院(現 JCHO東京山手メディカルセンター)内科勤務
1992年-1993年
東京海上丸の内診療所 勤務
1993年-1996年
米国に居住、無職(夫の病院研修に同伴)
1996年-2000年
東京海上丸の内診療所 産業医として勤務
2000年-2003年
マウントサイナイ ベスイスラエル家庭医研修
2003年-2020年
エッジウォーターファミリーケアセンターにて勤務
2020年-
ひばりファミリーメディカルにて勤務(診療所経営者の移行)
Case Study

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医師のご紹介

当ページに関しては2024年1月時点で弊社が独自に調査したもので、最新の情報に関しては各国当局にお問い合わせの上、ライセンスの取得に関する手続きを行ってください。

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