ベトナムで小児医として挑戦する杉浦先生に聞く
海外医療への道のりとこれからの展望

杉浦先生

医師プロフィール

現在ベトナム・ハノイのクリニックで活躍されている杉浦健太先生。千葉大学を卒業後、日本国内の病院で小児医療・救急医療に従事しながら、カナダやカンボジアでの見学を経て、現在は海外の医療現場で幅広い経験を重ねています。臨床に加えて、公衆衛生の観点などにも力を入れている杉浦先生に、海外で働くまでの道のりや現地でのやりがいについてお話を伺いました。

現在の仕事内容や専門分野

杉浦先生は、小児科および小児救急を専門としており、現在はベトナム・ハノイのインターナショナルクリニック「Family Medical Practice Hanoi」で診療を行っています。
外来や入院、救急対応に加え、国内外への医療搬送なども担当しており、ベトナム人だけではなく、ハノイに住む日本人を含めた外国人の診療をしているそうです。

医療システムや文化の特徴

ベトナムの医療現場については、日本とは大きく異なる点が多いと感じているとのこと。
言語によるコミュニケーションの問題だけではなく、文化的な背景が理由でベトナム人看護師の対応が日本人看護師とはかなり違うこと、
インターナショナルクリニックゆえに各国の医師で治療方針が異なること、などを挙げられていました。

海外で働くことを選んだ理由

幼少期をアメリカで過ごした経験や、カンボジア・ベトナムを訪れた際に見た厳しい小児医療の現場が、海外勤務を志すきっかけになったそうです。
「発展途上国であればこそ、自分にできることが多いのでは」との思いから、ベトナムで働く道を選ばれました。

海外勤務を始めたときの課題

ベトナムに渡ってすぐは、日本式の医療体制を導入する病院の立ち上げに携わり、文化や業務の違いに直面したといいます。
診療の流れや電子カルテの使い方、会計システムなど、あらゆる部分で試行錯誤が必要だったと振り返られています。

仕事を通じて感じる課題とやりがい

現在は、ハノイに住む日本人家庭の医療的な「安心の場」を提供することにやりがいを感じているとのこと。
また、ベトナム人家庭向けに子どもの病気やケガへの対応をまとめたベトナム語のホームケアブックを執筆中で、現地への貢献にも力を入れています。

将来のビジョンと目標

家族と相談の上で、ベトナムを含めた海外での勤務を引き続きしていきたいというビジョンを持っています。
将来的には日本に戻って小児救急医として働くと共に、海外で困っている子ども達の手助けになる仕事を両立させる取り組みをすることを視野に入れているそうです。

海外で働く際に役立つスキルや心構え

語学以上に大切なのは「コミュニケーション力」だと強調されています。異なる文化や価値観の中で信頼関係を築く力が求められ、
日本で専門性を高めたうえで、そのスキルを海外で活かすことが重要だと話されていました。

若手医師へのアドバイス

  • 専門性を確立することが第一歩
    海外で働く前に、日本で専門医資格を取得し、自分の強みとなる分野をしっかり身につけることが大切です。
  • コミュニケーション能力

    言語力だけでなく、異文化の中で信頼関係を築ける柔軟なコミュニケーション力が求められます。

  • 一歩踏み出す勇気
    完璧を求めすぎず、まずは飛び込んでみること。新しい環境に挑戦する姿勢が成長に繋がります。

杉浦先生のご経歴

2009年
東京女子医科大学八千代医療センターにて初期研修および小児科後期研修を開始。
2013年
沖縄県立南部医療センター・こども医療センターにて小児科後期研修
2014年
カナダのBC Children’s Hospitalを見学し、海外医療への関心を深める。
2015年
沖縄県立八重山病院にて小児科スタッフとして勤務。カンボジアのAngkor Hospital for Childrenを見学し、発展途上国医療への関心を強める。
2017年
東京女子医科大学八千代医療センターにて小児科・救急科スタッフとして勤務。
2019年
東京都立小児総合医療センターにて小児救急スタッフとして勤務。診療、研究、マネジメント、後進育成などに従事。
2021年
ベトナムでの病院立ち上げプロジェクトに応募。
2022年
Kusumi Hospitalにて小児科スタッフとして勤務。単身でベトナムへ渡航し、日本式医療の導入に携わる。
2023年
University of Liverpool MPHに入学(現在在学中)。
2024年
Family Medical Practice Hanoiにて小児科医として勤務。勤務する傍ら、ベトナムの保護者向けホームケアの本を執筆開始。看護師兼通訳、応援してくれる企業と共に活動中。
Case Study

実際に働いている
医師のご紹介

当ページに関しては2024年1月時点で弊社が独自に調査したもので、最新の情報に関しては各国当局にお問い合わせの上、ライセンスの取得に関する手続きを行ってください。

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