鳥居先生

オーストラリア・シドニーで一般開業医として歩む鳥居先生に聞く地域医療の実際と、医師としての歩み

鳥居先生

医師プロフィール

今回お話を伺ったのは、現在オーストラリア・シドニー郊外で一般開業医(GP)として長年地域医療に従事されている鳥居先生です。
メルボルン大学を卒業後、インターンおよび複数の専門病院での研修を経て、小児科・産婦人科・内科・外科など幅広い診療を担う総合診療医として約40年間にわたり活躍。
現在は大規模クリニックに勤務し、日本人を含む多国籍の患者さんに医療を提供されています。
長年にわたりオーストラリアの多文化社会と医療の現場を支えてきた先生に、これまでのキャリアと海外での診療における心構えについてお話を伺いました。

現在の仕事内容・専門分野

現在の仕事内容・専門分野

メルボルン大学医学部を卒業後、インターンを経て一般開業医(GP: General Practitioner)の資格を取得。以降約40年にわたり、シドニー郊外にて一般開業医として地域医療に携わってこられました。
小児科・産婦人科・内科・皮膚科・泌尿器科・外科など、多岐にわたる診療を幅広く行い、重篤な疾患や緊急時には専門医や緊急病院へ紹介する体制をとっておられます。

医療システムや文化の特徴

オーストラリアの医療システムは、一般開業医、専門医、総合緊急病院の3本柱で構成されています。専門医を受診するには、まず一般開業医の紹介状が必要で、それがなければ保険の補助が受けられないそうです。

また、国民健康保険にあたる「Medicare」は、市民権や永住権を持つ人のみが加入できるとのこと。公立病院での治療は原則無料ですが、私立病院での治療を希望する場合は、Medicareに加えて民間のプライベート保険も必要になると話してくださいました。

海外で働くことを
選んだ理由

大学進学の時期に、商社に勤めていた父親の転勤で家族がメルボルンに滞在していたことから、自然な流れでオーストラリアの医学部に進学されたと語られています。

海外勤務を始めたときの
課題

小学校4年生までをオーストラリアで過ごしていたこともあり、英語に不自由はなかったそうです。 一方で、日本から来た医師がオーストラリアで再び資格を取り直すには、言語や制度面で大きなハードルがあることを認識しておられます。

仕事のやりがいと学び

シドニーにおいて日本人医師は数少なく、日本語で安心して診療を受けたいというニーズは根強いと語られています。 患者の多くが日本人であり、言葉の面で不安を抱える方の支えになれることに、日々やりがいを感じているそうです。

将来のビジョン

「すでに71歳という年齢ですが、できるだけ健康を保ち、医師として現場に立ち続けられたら」と、強い決意を持って語られていました。

海外勤務で活きるスキル・心構え

海外勤務で活きる
スキル・心構え

オーストラリアは多民族国家であるため、英語はもちろん、他の言語にも通じていれば、患者との距離が縮まり、より良い医療提供が可能になると話されています。

若手医師へのアドバイス

海外で働きたいと考える若手医師や医学生に向けて、富田先生は次のようにアドバイスしています。



  • まずは「よくある疾患」を徹底的に理解することが基本
    希少疾患に目を向ける前に、日常的によく出会う病気への理解を深めることが重要だとされています。
  • 「人としての背景」まで理解しようとする姿勢が大切
    症状だけでなく、患者の生活環境や家族背景まで視野に入れて関わることが大切だと語られています。
  • 相手の話にしっかり耳を傾けること
    診断の前に、まず患者の話を丁寧に聞くこと。
    それが的確な治療と人間関係の構築につながると強調されています。

鳥居先生のご経歴

メルボルン大学医学部を卒業
1年間のインターンシップを修了
メルボルンの小児科専門病院で勤務・研修
メルボルンの産婦人科専門病院で勤務・研修
地方の一般開業医(GP)クリニックでのトレーニングを実施
上記経験を経て、個人の一般開業医クリニックを開業
約30年間にわたり、パートナーとともに同クリニックを経営
現在は近隣の大規模クリニックに勤務し、10年以上地域医療に従事

Case Study

実際に働いている
医師のご紹介

当ページに関しては2024年1月時点で弊社が独自に調査したもので、最新の情報に関しては各国当局にお問い合わせの上、ライセンスの取得に関する手続きを行ってください。

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