宮崎 郁先生
今回お話を伺ったのは、アメリカ・オハイオ州の倉岡クリニック院長として勤務されている宮崎先生です。
幼少期に渡米し、アメリカで医学教育と研修を受けた後、家庭医として内科・小児科・婦人科・予防医療など幅広い診療に携わってこられました。
現在は日本人駐在員やそのご家族を中心に、日本語による医療を提供しながら、ニューヨークの日本語医療機関とも連携して診療を行っています。
海外で暮らす日本人の健康を支える立場から、アメリカ医療の実際や医師として大切にしている考え方についてお話を伺いました。
宮崎先生は、アメリカ・オハイオ州の「倉岡クリニック」院長であり、家庭医として勤務されています。
診療内容は内科を中心に、小児科、婦人科、予防接種など幅広く、日本人の駐在員やそのご家族を中心に、日本語での医療を提供されています。
ニューヨークでも日本語医療を提供する施設と連携して診療を行っているそうです。
アメリカと日本の最も大きな違いは保険制度にあると語ります。
日本のような国民皆保険制度ではなく、個人が勤務先経由などで保険に加入するアメリカでは、加入プランによって適用範囲が異なり、同じ治療でも患者ごとに提供の可否が変わってくるため、診療にあたって常に保険の内容を確認しながら進めていると話されています。
アメリカ生活は30年以上におよび、小学生時代に父親の仕事の関係で家族とともに移住したことがきっかけだったと語っています。
自身も日本語と英語の両言語を使えることを活かして、同じように海外で生活する日本人家庭の医療を支える仕事に携わりたいと考え、医師の道を選んだと述べています。
アメリカの医大・研修で英語を前提とした医学教育を受けてきた宮崎先生にとって、日本人患者との診療で必要な「日本語の医療用語」の習得は大きな課題だったと語ります。
医療知識はあっても、日本語での説明には苦労し、語彙の習得に相応の努力が必要だったと振り返っています。
アメリカでは医師になってからも学び続けることが重視されており、10年ごとの専門資格の更新を通じて最新の知識を学び、患者に提供していく姿勢が求められていると語っています。
継続教育を通して得た新しい知識を実際の診療に活かせたときに、大きなやりがいを感じると語られています。
医師不足が深刻なアメリカでは、ナースプラクティショナー(NP)やフィジシャンズアシスタント(PA)などの“特定の医療行為を行う権限を持つ高度専門職 ”が活躍しています。
今後は、こうした人材との連携によって、より多くの患者のケアに関われる体制づくりを目指したいと話しています。
医療は“対人業務”であり、特に海外では社交性・思いやり・冷静な対応力が重要だと語られています。
患者との関係構築力は学業成績以上に重視されることもあるため、「どんな状況でも相手を思いやりながら笑顔で接する力」が必要不可欠だと強調されています。
アメリカで働くなら、研修(レジデンシー)への早期チャレンジを
多くの研修病院では「医学部卒業からの年数(5年以内など)」を重視する傾向があるため、できるだけ早く行動することが重要だと述べています。
医療は日々進化するため、知識が新鮮なうちに挑戦する方が歓迎されやすいとされています。
他国の医療スタイルが身についていないほうが有利な場合も
アメリカの研修病院では、他国の医療習慣が染みついた応募者よりも、ニュートラルな状態の若手を育てたいという意識があり、それも「早期の行動」が推奨される理由のひとつだと話しています。
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